社会的企業における戦略マップの適用可能性―地域経営組織におけるアクションリサーチ―
公開日 2018年10月19日
国際観光学研究センター(CTR)DMO研究ユニット所属の研究員(八島雄士 観光学部 教授、岸上 光克 地域活性化総合センター 食農総合研究所 教授)の共著論文が、機関誌「メルコ管理会計研究」に掲載されました。
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論文タイトル
社会的企業における戦略マップの適用可能性―地域経営組織におけるアクションリサーチ―
Strategy maps for social enterprises: action research on regional management organization
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著者
八島 雄士(和歌山大学 観光学部)
岸上 光克(和歌山大学 地域活性化総合センター 食農総合研究所)
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書誌事項
メルコ管理会計研究
2018年9月5日, 第10号-Ⅱ, 43-54頁
DOI: http://melco-foundation.jp/learn/org_feed/4452/
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要旨
本研究は,社会的企業への戦略マップの適用可能性を議論することを目的とする。和歌山県田辺市上秋津地区の地域経営組織である(株)秋津野を対象に約2年間のアクションリサーチを実施した。聞き取り調査およびワークショップ形式での調査を行うなかで,新たなマスタープランづくり,事業継承という喫緊の課題を抱えていることがわかった。これらの課題について,一般に業績評価ツールの一つとして知られる戦略マップが2つの点で貢献できる可能性を確認した。一つは,その地域経営におけるリーダーシップの発揮および経営資源の効果的な利活用に関連するマスタープラン作成の場面において,全体像を俯瞰する形で戦略的な計画策定およびその後の戦略的マネジメント?コントロールを期待できることである。もう一つは,個々の事業の成果をめぐるストーリを可視化する形で事業継承などを念頭に世代間での前向きなコミュニケーションを創造し,持続性創出への貢献が期待できることである。
This paper discusses strategy maps for social enterprises. Action research was conducted over two years at Akitsuno Co. Ltd., a regional management organization in Tanabe city, Wakayama prefecture. The company has two important projects—to develop the next master plan for the Kamiakitsu area, and ensure business progresses smoothly. The results present two conclusions about strategy maps for social enterprises. First, with respect to good governance and measurement of outcomes, strategy maps are an efficient management tool for a strategic planning and control regarding regional area. Second, they may create positive communication in terms of business succession.
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キーワード
戦略マップ, 業績評価, アクションリサーチ, 社会的企業, 地域経営組織
strategy maps, performance measurement, action research, social enterprises, regional management organization