ウォーキングツーリズムと地域発展の研究と研究可能性 -九州オルレの取り組み-
公開日 2024年07月04日
和歌山大学国際観光学研究センター(CTR)研究員である八島 雄士教授(観光学部)、豊島 茂氏(九州産業大学;CTR客員フェロー)および金 宰ウク氏(広島大学;CTR客員フェロー)による研究ノートが「余暇ツーリズム学会誌」に掲載されました。本研究は、2023年度CTR共同研究支援プログラムの助成による研究成果の一部です。
論文タイトル
ウォーキングツーリズムと地域発展の研究と研究可能性 -九州オルレの取り組み-
著者
八島 雄士(和歌山大学観光学部教授、和歌山大学国際観光学研究センター研究員)
豊島 茂(九州産業大学非常勤講師、和歌山大学国際観光学研究センター客員フェロー)
金 宰ウク(広島大学大学院人間社会科学研究科講師、和歌山大学国際観光学研究センター客員フェロー)
書誌事項
余暇ツーリズム学会誌 第11号
掲載ページ:105-112
余暇ツーリズム学会:http://www.leisure-tourism.com/library/
要旨
日本におけるSDGsの認知が向上する影響として、さまざまな事業を進める際に、地球規模の課題と関係させながら議論するきっかけとなることが期待される。本論文では、社会的背景に対応するコンテンツとしてウォーキングツーリズムと地域発展に焦点をあてた研究を行い、研究可能性を議論する。実際には、済州オルレとの連携の上で開発と実施が行われている九州オルレの活動を研究対象とした。オルレは、「通りから家に通じる狭い路地」という意味の済州の言葉である。「海岸線や山などの自然、民家の路地などを身近に感じ、自分なりにゆっくり楽しみながら歩く」ところが魅力となっている。インタビューおよび体験的視察からえられた情報を、Ritchie & Crouch(2003) が示したSteps to Destination Success(StDS)を参考にした学術的論点について、整理した。結果として、各論点について、研究課題と実際の取り組みとの関係を明らかにし、今後の研究の展望を示した。
As a result of improved recognition of the SDGs in Japan, it is expected that this will provide an opportunity to discuss various projects in relation to global issues. We conducted our research focusing on walking tourism and regional development as contents that correspond to social contexts, and discussed research possibilities. In fact, the research focused on the activities of Kyushu Olle, which is being developed and implemented in collaboration with Jeju Olle. Olle is a Jeju word that means ``a narrow alley leading from the street to the house.'' The attraction is that ``you can feel close to nature such as the coastline and mountains, and the alleys of private houses, and enjoy walking slowly in your own way.'' We organized the information obtained from interviews and experiential observations into academic points based on Steps to Destination Success (StDS) presented by Ritchie & Crouch (2003). As a result, we clarified the relationship between research issues and actual efforts for each issue, and provided prospects for future research.
キーワード
持続可能性、組織間連携、価値共創、レジャー、ソーシャルビジネス
sustainability, inter-organizational collaboration, value co-creation, leisure, social business