1背景と目的
2011年に発生した東日本大震災て?は,ネットワークや情報技術を用いたサーヒ?スか?多く開発された. また,普段使い慣れていないサービスや機能を,緊急時にいきなり利用するのは困難である. さらに,出先などの普段行かない場所で災害に遭うと,すぐに対処できない可能性が高い.
そこで本研究では,日常的に利用することでこれらの問題を解決することのできるシステムの開発を行った.
2日常的に利用可能な避難支援システム「あかりマップ」
「あかりマップ」は日常的に利用することで,地元でも出先でも避難支援情報を受け取ることができる,Android携帯用のアプリである.(避難支援情報とは,避難所や食糧のある場所などの,災害時における避難支援に役立つ情報のことである)受け取った避難支援情報は,地図画面とウィジェット画面に表示される.
「あかりマップ」のシステム構成図を図1に示す.避難支援情報は情報提供者によって登録される.利用者は現在地の座標をサーバへ送ることで,現在地周辺の避難支援情報を受け取る.
図1. システム構成 |
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3システムの機能
(1) 地図機能
サーバから現在地周辺の避難支援情報を受け取り,地図上に表示する.避難支援情報はカテゴリに分かれており,それぞれアイコンでが用意されている.また,アイコンをタップすることで詳細情報を表示する.図2に地図画面例,図3にカテゴリ別アイコンを示す.
図2. 地図画面例 |
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図3. カテゴリ別アイコン |
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(2) 避難支援情報登録機能
避難支援情報は閲覧するだけでなく登録することもできる.図4に登録画面例を示す.登録する情報を表1にまとめる.
図4. 登録画面例 |
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表1.登録する内容 | ||||||||||
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(3) ウィジェット機能
Android 端末は,ホーム画面にウィジェットと呼ばれる簡単な機能を持ったアプリを表示できる.本機能ではウィジェットに,定期的に現在地周辺の避難支援情報を近い順に3つ表示する.図5にウィジェット画面例を示す.
図5. ウィジェット画面例 |
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(4) 通知機能
Android端末には,通知バーと通知領域と呼ばれる,端末の状態や通知内容を表示する場所がある. 本機能では,通知バーと通知領域を利用して,システムから利用者へ通知を行う.
図6(1)に通知バーの表示例,図6(2)に通知内容の表示例を示す. 位置情報の取得は,ウィジェットの更新と同時に行っている. 通知バーには通知アイコンと文章を表示することができる.通知アイコンは通知領域から通知内容を消さない限り残っている. また,通知内容をタップすることで,アプリケーションの起動が可能である.
図6. 通知画面例 |
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4利用イメージ
5口頭発表
- 浜村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:災害直後の避難支援を目的とした常時利用型災害時支援システムの開発,情報処理学会第75回全国大会,第4分冊.pp.815--816(2013-03).
- 浜村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:利用者の移動を考慮した日常利用可能な災害時支援システムの開発,情報処理学会,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム,pp.1930--1937(2013-07).
- 浜村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:日常利用可能な災害時支援システムにおける外出先での利用を促す通知機能の評価,FIT2013情報科学技術フォーラム,第4分冊,pp.655--656(2013-09).
- 村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:災害直後のオフライン環境を想定した常時利用型災害時支援システムの評価,平成25年度情報処理学会関西支部支部大会,E-21,pp.1--2(2013-09).
- 浜村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:災害時の操作体験機能を備えた日常利用可能な災害時支援システム,人工知能学会,社会におけるAI研究会,pp.1--6(2013-10).
- 浜村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:災害直後の避難支援を目的とした日常利用可能な災害時支援システム,日本災害情報学会第15回学会大会,pp.152--155(2013-10).
- 浜村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:災害時避難支援システムにおける災害モードの平常時利用効果の検証,情報処理学会,グループウェアとネットワークサービスワークショップ2013,No.5,pp.1--7(2013-11).
連絡先
- 浜村 朱里:s155037 at center.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp