プロジェクトタイトル
日本における外国人観光客に対する住民感情指標の検証
研究ユニット
代表者
メンバー
Cathy H.C. Hsu (The Hong Kong Polytechnic University),
Nan Chen (The Hong Kong Polytechnic University),
Kimo Boukamba (和歌山大学)
プロジェクト期間
2019年5月16日 ~ 2020年3月31日
プロジェクト概要
近年の訪日外国人観光客の急増によって、経済効果の上昇が報じられる一方、各観光地においては、混雑や交通渋滞などと言ったオーバーツーリズムの問題に直面している。持続可能な観光地を作るためには、観光客向けの対策だけに解決を頼るのには限界があり、外国人観光客に対する住民の態度や感情などを十分に理解する必要がある。本研究は、住民態度における二つの基盤理論―社会的交換理論と社会的表象理論をベースにして、Chen, Hsuand Li (2017)が提唱した「観光客に対する住民感情の概念的モデル」を検証し、観光地の住民が観光客に対してどのように認識し、どのような態度を取っているかを明らかにするものである。また、Hsu, Li and Chen (2016)の「住民感情の理論的モデル」に基づき、「情緒的連帯感」と「文化的距離」との二つの新たな変数を取り入れ、訪日外国人観光客に対する住民の感情と態度の形成をより明確にすることによって、持続可能な観光政策の在り方を検討する。
活動報告
本研究プロジェクトの主な成果は以下の4点であった。
- 40 名の被験者に対するインタビュー調査 (京都 20 名 ;和歌山 20 名 を通じて、日本人住民の訪日中国人観光客に対する住民の感情を明確にし、それに基づいて、住民感情の主要な変数を抽出した。(ステップⅠ)
- ステップⅠで抽出した主要な変数をベースにして、全国 20 歳― 69 歳の男女 1000 サンプルに対するオンライン調査を実施し、住民感情の因果モデルを構築した。(ステップⅡ)
- 2020年3月に、それまでの研究成果(理論的探索とインタビュー調査の結果)を、Critical Tourism Studies にて報告した。
- 和歌山大学と香港理工大学の共同研究チームができたことによって、共同研究に関する連携関係が一層強められた 。