水循環にやさしい家庭用雨水利用装置の開発
図1 和歌山市内の地区別浸水被害状況
(2000年9月11日)
図2 貴志川(諸井井堰下流)の瀬切れ現象
(2002年8月)
近年各地で頻発している集中豪雨や水不足は、私達に人間社会の水に対する脆弱性を気づかせることになりました。
このような水の問題を解決するキーワードは“地域における健全な(持続可能な)水循環の構築”です。 現在各地で進められている雨水利用は水循環を上手く利用したもので、“健全な水循環の構築”には欠かせない方法です。
雨水利用は学校、市民会館からアパート、一軒家まで、施設の大きさに関係なく導入できますが、この研究では最も小型の家庭用雨水利用装置を対象としています。 一般に、タンク容量の小さい家庭用雨水利用装置の雨水貯留効果は小さく、浸水被害の軽減効果はそれほど期待できません。
しかし、一台の効果は小さくても、地域全体に普及した場合にはその効果は非常に大きなものになるはずです。 そこで、現在は家庭用サイズで最も治水効果を発揮できる雨水貯留方式の検討を行っています。